ペンドレイロウは、毎レップ床の上で完全に静止した状態から始め、上体を終始ほぼ水平に保つバーベルロウです。名前の由来は、アメリカのウエイトリフティングコーチだった故グレン・ペンドレイ(Glenn Pendlay)で、本人は、背中を地面とほぼ平行にした厳密なバーベルロウにすぎないと言い切っていました。
この名前を選んだのはペンドレイ本人ではありません。自身のデモの中で「自分で考えた名前ではない」と言い、自分の説明にこの名前をつけたのはマット・レイノルズ(Matt Reynolds)だと思う、と述べています。BarBendには、パワーリフターだったころ、重いスクワットを支えられる背中を作るためにこの引き方を始めたと語っています。BrolicにはPendlay Row (Barbell)(バーベル・ペンドレイロウ)として登録されています。
鍛えられる筋肉
Brolicでは、背中上部を主なターゲット、広背筋と腹筋を補助としてタグ付けしています。これは関節の動きから導かれるものです。肩甲骨が寄り、上腕が後ろへ動き、肘が曲がります。ペンドレイ自身が挙げていたのは、脊柱起立筋から広背筋、背中上部全体までです。
男性7人を対象とした実験室での研究では、立って行うベントオーバーロウで背中の上部から下部まで大きな筋活動が生じ、比較した3種類のロウの中で腰椎への負荷がもっとも高くなりました。この研究にペンドレイロウは含まれていません。
背中と股関節のセット
デッドリフトと同じように、足を肩幅くらいに開き、バーが足の中央の真上にくるように立ちます。お尻を後ろへ引いて膝を曲げ、背中が床と平行か、それより少し起きた角度になったら、肩幅よりやや広いオーバーハンドグリップで握ります。ペンドレイのグリップ幅の確認方法は、バーを床に置いたままその姿勢を保てることです。
1レップ目の前に腰を固めます。ペンドレイは、腰をできるだけ強く反らせて固めさせ、その腰と股関節の角度を変えないようにさせます。バーが床に置かれている間は、背中上部はわずかに丸まってもかまいません。
腰が丸まらないとバーに手が届かない場合は、バーを高くします。ジェフ・ニッパード(Jeff Nippard)は、バンパープレートか低い台の上に載せることを勧めています。スタートの高さは1つに決めて、書き留めておきましょう。
床で静止した状態からのロウ
バーを胸の下部かお腹の上部へ引きます。ペンドレイのキューは、腰と股関節を最初の位置に保ったまま、背中の上部と中部を反らせて、腕で素早く引くことです。ニッパードは、肘を体幹から約45〜65°開いて後ろへ引きます。
コントロールしながら下ろし、バーを完全に止めます。Catalyst Athleticsはレップの間にバーを床に戻していて、ニッパードは完全に止めることこそがペンドレイロウの条件だとしています。腰を固め直してから、また引きましょう。
胸の位置に注意します。Catalystは、バーにスピードを乗せるための多少の体の動きは認めています。レップごとに胸が上がってくるなら、そのセットは、ペンドレイがこの種目と対比している、上体の起きたロウになっています。
思っているより軽く始めましょう。ニッパードは、重すぎる重量をもっとも多い間違いに挙げています。Catalystは5〜15回のセットを勧め、ニッパードは筋肉をつけるためのトレーニングでは8〜12回にしています。
ベントオーバーロウとの違い
| ペンドレイロウ | 通常のベントオーバーロウ | |
|---|---|---|
| 各レップのスタート | 床の上で完全に静止した状態 | バーは空中にあり、床に触れない |
| 上体 | 床と平行か、それより少し起きた角度 | 平行よりかなり起きていることが多い |
| バーが体に当たる位置 | 胸の下部かお腹の上部 | お腹の下部(ペンドレイのデモより) |
ペンドレイは、ジムでよく見るロウを悪いとは言っていません。広背筋と背中の多くの部分の仕事が少なくなると考えていました。これはコーチの判断です。筋肉や筋力についてこの2つを比べた試験はないので、この表は2つの履歴を分けるためのもので、順位をつけるものではありません。
記録のしかた
Brolicでは、Pendlay Row (Barbell)をレップ数で記録します。バーを含めた合計を入力し(バーベル計算ツールで合計できます)、床の上で止まった状態から始めたレップだけを数えます。ベントオーバーロウは別の履歴にしましょう。バーを浮かせたレップと床で静止した状態からのレップを混ぜると、伸びたかどうかがわからなくなります。バーを高くした場合は、無料のトレーニング記録テンプレート(英語)にスタートの高さを書く欄があり、部位ごとの週間セット数(英語)では、これらのセットが背中上部のトレーニング量にどう加わるかを確認できます。
よくある質問
毎レップ、バーを床で止めないといけませんか? この名前で呼ぶなら、はい。ニッパードは、コントロールして軽く触れるだけのほうが背中の緊張を保てると述べていますが、それは本当のペンドレイロウとは数えていません。
プレートやブロックの上からでもペンドレイロウですか? 完全に静止した状態からのスタートと上体の角度は同じで、可動域が短くなります。高さを記録しましょう。
オーバーハンドですか、アンダーハンドですか? ニッパードは両手オーバーハンドのグリップを教えています。Catalystは、手のひらを前に向けたグリップとスナッチ幅のグリップをバリエーションとして挙げています。1つの履歴につき、グリップは1つにしましょう。
セット中に腰が痛みます。 セットを中止してください。次回は重量を減らすかバーを高くするか、ニッパードが代わりの種目として挙げているヘルムズロウのような、胸を支えて行うロウにしましょう。痛みを我慢してロウを続けないでください。
出典と方法
- Glenn Pendlay: Pendlayrow.wmv:考案者本人による、名前の話、対比するジムスタイルのロウ、キュー。動画の字幕を参照。
- BarBend: Glenn Pendlay explains the history behind the Pendlay row:ジェイク・ボリー(Jake Boly)によるインタビュー。ペンドレイによるこのロウの定義と、始めた理由。
- Catalyst Athletics: Pendlay row:種目ライブラリの説明、レップ数の範囲、グリップのバリエーション。
- Jeff Nippard: Pendlay row technique:スタンス、グリップ、肘の軌道、完全に止めること、バーを高くすること。
- Buff Dudes: Pendlay row tutorial:ベントオーバーロウではバーが床につかないこと。
- Fenwick, Brown and McGill (2009):3種類のロウでの体幹の筋活動と脊椎への負荷。ペンドレイロウは含まれていません。
- Brolicの種目カタログ(バージョン2026-09-22.1):種目名、記録方法、筋群。
姿勢、角度、レップ数の範囲は、引用したデモから取った、動きを覚えるための出発点であり、試験で確立された最適値ではありません。2026年10月5日にPubMedで「Pendlay row」を検索しても、この種目だけを扱った研究や、ベントオーバーロウと比べた研究は見つかりませんでした。