ベイジアンカールは、ケーブルのウエイトスタックに背を向けて行う、片腕のケーブルカールです。ケーブルが体の後ろから伸びているので、上腕は体よりわずかに後ろに位置し、腕がまっすぐ伸びた状態でも上腕二頭筋に負荷がかかっています。カールするときは少し前に傾き、下ろすときは後ろに戻ります。
考案者とされているのは、オランダのフィジークコーチ、メノ・ヘンセルマンス(Menno Henselmans)です。彼は記事の中で、これをいちばん好きな上腕二頭筋の種目と呼んでいます。名前は彼の以前のブランド「Bayesian Bodybuilding」から来ていて、動きの内容を表すものではありません。BrolicにはBayesian Curl (Cable)(ケーブル・ベイジアンカール)として登録されていて、「Cable Bayesian Curl」「Face Away Cable Curl」「Behind the Back Curl (Cable)」が別名です。片側ずつ行う種目として記録し、1セットの記録で両腕をカバーし、レップ数は片腕ごとに数えます。
鍛えられる筋肉
Brolicでは、上腕二頭筋を主なターゲットとしてタグ付けしていて、補助の筋群はありません。ヘンセルマンスの主張は、筋肉の長さについてのものです。上腕二頭筋は肩関節もまたいでいるため、肘が前に流れると筋肉が短くなります。彼によれば、上腕二頭筋はストレッチされたときにもっとも大きな能動的張力を発揮し、短縮するとその大部分を失います。短頭では約80%です。
この種目を名指しで扱った2025年の研究が2件あり、どちらも2026年10月7日のPubMed検索で見つかりました。Attariehらの研究では、15人の男性が10週間、片腕をケーブル・プリーチャーカール、もう片腕をベイジアンカールで、抵抗のかかり方(レジスタンスプロファイル)をそろえてトレーニングしました。どちらの腕も筋肉が大きくなり、筋力も伸びましたが、有意な差はありませんでした。Parpaらは、それぞれの種目の最大重量の80%で比べたとき、ベイジアンカールよりダンベルカールのほうが上腕二頭筋の筋活動が高いことを記録しています。ヘンセルマンスが根拠にしているのは2021年のSatoらの研究で、可動域のうち腕が伸びている側の半分でトレーニングしたカールのほうが、曲がっている側の半分でのカールより筋肉が大きくなりました。ただし、この研究ではベイジアンカールは使われていません。ベイジアンカールがほかのカールより上腕二頭筋を大きくすることを示す根拠は、まだありません。
ケーブルのセットアップ
プーリーは低い位置か、肘くらいの高さにセットします。MuscleWikiのコーチ・タイ(Coach Ty)は、どちらも使います。彼によれば、肘の高さにすると腕を伸ばしたときのテンションが大きくなりますが、カールするときにケーブルが前腕に当たります。そのため、カールしながら少し前に傾き、腕を伸ばしながら後ろに戻る必要があります。
スタックに背を向けて、立つ位置を決めます。ヘンセルマンスは、ボトムでストレッチを感じなければ、前へ(スタックから離れる方向へ)踏み出し、ボトムで腕が後ろへ引っぱられるなら、スタックの方へ下がるよう指示しています。コーチ・タイは、動かす側の脚を前にして足を前後にずらしたスタンスをとり、どちらの脚を前にしてもかまわないと言っています。
肘は体の横に保ちます。ヘンセルマンスは、重さに引っぱられて肘が後ろへ流れることを間違いに挙げています。腕がケーブルと一直線になると、モーメントアームがゼロになるからです。コーチ・タイの言い方では、腕を体の後ろへ流さず、肩はスタックの方へひねらずに正面に向けたまま保ちます。
カールの動作
少し前に傾きながら、完全に収縮するところまでカールします。ヘンセルマンスはこれを、ウェイターのお辞儀にたとえています。後ろから引くケーブルはトップでテンションが抜けてしまいますが、前に傾くことでトップにテンションが加わります。体を動かさなくても完全な収縮を感じられるなら、それでかまわないと彼は言います。そのあと、後ろに戻りながら、しっかりストレッチがかかるところまで下ろします。
ケーブルを前腕に触れさせないでください。2人のコーチがそろって言っていることです。ヘンセルマンスの理由は、前腕がケーブルと一直線になるとテンションがほぼゼロまで落ちるからです。触れるなら、前傾が足りていません。
筋力を伸ばすための種目として扱わないでください。ヘンセルマンスはこれを、純粋な上級者向けのボディビル種目と呼んでいます。チーティングをせず、可動域を短くせず、スタックの重量を追いかけないことです。
ほかのカールとの違い
| ダンベルカール | スタックの方を向いて行うケーブルカール | ベイジアンカール | |
|---|---|---|---|
| 抵抗がかかる方向 | 重力 | 体の前にあるケーブル | 体の後ろにあるケーブル |
| 腕を伸ばしたときの負荷 | ほぼゼロ(ヘンセルマンス) | 小さい(ヘンセルマンス) | 大きい。この種目を行う理由 |
| 負荷が最大になる位置 | 肘を約90°曲げたところ(ヘンセルマンス) | プーリーの高さしだい | 体の傾きで調整する |
この表は、1人のコーチによるバイオメカニクスの説明です。この考え方を検証した唯一の試験では、抵抗のかかり方をそろえたプリーチャーカールでも同じ効果がありました。
記録のしかた
1セットの記録で両腕をカバーし、レップ数は片腕ごとに数えます。10レップなら、左右それぞれ10回という意味です。スタックの重量を入力し、プーリーの高さとスタックからの距離をメモしておきましょう。どちらも手にかかる抵抗を変えるからです。スタックの表示重量が意味を持つのは、同じ1台のマシンの上だけです。無料のトレーニング記録テンプレート(英語)にはセットアップのメモ欄があり、部位ごとの週間セット数(英語)では、上腕二頭筋がすでにどれだけのトレーニング量をこなしているかを確認できます。
よくある質問
体を傾けるのはチーティングではありませんか? ヘンセルマンスの答えはその逆です。チーティングとは、後ろに反って反動で重量を振り上げることです。ベイジアンカールの傾きは、トップでテンションを保つために、上げるときに前へ傾くものです。
ボトムで肩や肘が痛みます。 ボトムの姿勢がきつすぎる場合、ヘンセルマンスの対処法はスタックに近づくことです。それでも痛む場合は中止してください。痛みは、そのまま続けてよいという合図ではありません。
出典と方法
- Menno Henselmans: Bayesian curls, the best biceps builder:定義、理論的な根拠、距離と前傾のキュー、3つの間違い。アーカイブ版を参照。
- Menno Henselmans: The perfect biceps exercise:デモ動画。ジェフ・ニッパード(Jeff Nippard)の動画の一部。字幕を参照。
- Menno Henselmans: rebranding update:Bayesian Bodybuildingという名前の使用終了。
- MuscleWiki, Coach Ty: Bayesian curl masterclass:ケーブルの高さ、スタンス、肘の軌道、肩の位置。字幕を参照。
- Attarieh et al. (2025):プリーチャーカールとベイジアンカール(どちらもケーブル)の比較。10週間、男性15人。
- Parpa et al. (2025):ダンベルカールとベイジアンカールでの上腕二頭筋の筋活動。ボランティア11人。
- Sato et al. (2021):肘の屈曲0〜50°と80〜130°でトレーニングしたカールの比較。ヘンセルマンスが引用。
- Brolicの種目カタログ:種目名、別名、片側ずつの記録方法、筋肉のタグ。
キューは2人のコーチの指示であり、試験で確立された最適値ではありません。ほかのカールと比べて筋肥大で優れるという主張もしていません。