パウエルレイズは、インクラインベンチの上で横向きに寝て行う、ダンベルの肩の種目です。鍛える腕は体の前を横切るように垂らした位置から始め、上へ、弧を描くように肩の上の位置へ向かって上げます。
名前の由来は、1991年から走り幅跳びの世界記録を保持しているアメリカの選手、マイク・パウエル(Mike Powell)です。この種目は、彼のコーチだったチャールズ・ポリクイン(Charles Poliquin)が彼にちなんで名づけたとされ、その後、ATGのコーチング資料(英語)を通じて広く知られるようになりました。この資料は、肩の健康のためのいくつかの動きの1つとしてパウエルレイズを取り上げています。(ATGの記事はパウエルを「オリンピックの世界記録保持者」と紹介していますが、彼の世界記録は走り幅跳びのもので、オリンピックで獲得したメダルは銀メダルです。)
肩の後ろ側やローテーターカフ(回旋筋腱板)の種目として広く使われています。コーチによって、この名前で指す腕の軌道が少しずつ違うので、名前よりも、どのバージョンかのほうが重要です。
このガイドでは、BrolicのPowell Raise (Dumbbell)(ダンベル・パウエルレイズ)に対応する、インクラインベンチ版を扱います。
鍛えられる筋肉
三角筋後部、肩の外旋筋である棘下筋と小円筋、そして肩甲骨が動きをコントロールする際に働く僧帽筋中部と菱形筋です。
Brolicでは、この項目に三角筋後部をタグ付けしています。ローテーターカフを強調する資料や、外転を重視したバージョンを説明する資料もあり、Rehab Heroの説明(英語)もその1つです。この違いは、実際のやり方の違いを反映しています。だからこそ、誰かが挙げた筋肉をすべて並べるのではなく、自分のバージョンを正確に決めておくべきなのです。
セットアップ
ベンチを約45°に設定し、鍛える側の肩を上にして、ベンチに沿って横向きに寝ます。肋骨と腰を支え、足を床かベンチのフレームに踏ん張って、その場にとどまるのに苦労しないようにします。
上の手で軽いダンベルを持ち、腕を体の前を横切るように垂らします。使用重量を決める前に、何も持たずに、または用意できるいちばん軽いダンベルで、軌道をリハーサルしましょう。
ごく軽い重量を使うつもりでいてください。2〜5 kgが一般的な使用重量で、それより重く始めると、体幹を使ってしまうだけです。数字を追う種目ではありません。
ベンチの角度によって腕と重力の関係が変わるので、どちらもパウエルレイズと呼ばれていても、フラットベンチ版とインクライン版は、同じ重量でも同じ課題ではありません。角度を記録しましょう。
レイズ
肘はわずかに曲げ、その角度を一定に保ちます。腕を体幹の前から上へ、弧を描くように肩の上の終点まで上げ、同じ軌道をコントロールしながら下ろします。
体は動かさないようにします。よくある失敗は、腕をトップまで届かせるために体幹を後ろへ回してしまうことです。そうなると、肩ではなく体重を使っています。ほかに注意したいのは次の2つです。
- 肘がだんだん曲がっていく:てこの腕が短くなり、後半のレップが前半より楽になります。
- 腕が腰の方へ流れる:意図したレイズの軌道から外れ、別の動きになります。
デモはあくまで参考にして、無理に不快な可動域まで動かす理由にはしないでください。ケーブルを使ったりベンチの角度を変えたりすると負荷のかかり方が変わるので、そのとおりに記録しましょう。
記録のしかた
片側ずつ、軽い重量で記録します。重量と一緒にベンチの角度も記録しましょう。これほど軽い重量では、45°からフラットに変えるほうが、ダンベル1段階分の変化より数字を大きく動かします。1つ上のダンベルとの差が大きい場合は、短い軌道で重いセットを行うより、同じ重量でレップ数を増やすほうが、結果を解釈しやすくなります。無料のトレーニング記録テンプレート(英語)には、セットアップを書く欄があります。
よくある質問
これはサイドレイズですか、それともリバースフライですか? どちらでもありませんが、両方に近い種目です。横向きの姿勢と、体の前を横切った位置からのスタートが、この種目を独自の動きにしています。ほかの種目の名前を借りるのではなく、軌道で説明しましょう。
ベンチなしでもできますか? ケーブル版や、ほかの支えを使う肩の種目でも同じ目的を果たせますが、条件が変わります。履歴は別にしましょう。
どのくらいの重さで行えばいいですか? 物足りないと感じるくらい軽くします。これはコントロールと可動域の種目です。体幹が手伝い始めた時点で、増やした重量は肩に届いていません。
Brolicでは何と検索すればいいですか? Powell Raise (Dumbbell)(ダンベル・パウエルレイズ)です。片側ずつ記録するので、左右の腕をそれぞれ記録し、ベンチの角度をメモに残しましょう。
出典と方法
- OPEX Fitness: Powell raise:ここで説明している、横向きに寝るインクライン版のわかりやすいデモ。
- ATG: shoulder tests and skills:チャールズ・ポリクインとマイク・パウエルに由来するという名前の説明、コーチによるこの動きのバージョン、複数のやり方が同じ名前で呼ばれていることへの言及。この資料のパフォーマンス目標は、誰にでも当てはまる要件としては採用していません。
- Rehab Hero: Powell raise:名前の使われ方の違いを示す例。
- Brolicの種目カタログ(バージョン2026-09-05.3):横向きで行うダンベルの項目と、片側ずつの記録方法。
ベンチの角度と重量の数値は、引用したデモから導いた出発点です。このガイドは、この種目が肩の痛みを予防したり治療したりすること、または特定の重量の比率がけがを防ぐことを示すものではありません。